ある日、一柱の神が死に、その記憶と想念が輝いて砕け散り、
宝石となって地中にわだかまった
時を経てそれは人の手により太陽のもとにひきだされた
同じ青でも、あるものは悲嘆の色を湛えていた
あるものは歓喜にみちていた
赤にも、怒りの色、愛の色があった
その石たちには抱え持った感情を基とした人格があり、
かれらは思考し、恋さえした
【宝石泥棒の招待】
ようこそおかえりなさい。
石たちはたとえばこのように宝石泥棒リュビに招かれ、
輝石の館という、変幻自在な、奇妙な、美しい館をおとずれます。
一度迎えられさえすれば、どこにいっても、どこからでも帰り道がわかる、
人間たちには見えない、宝石たちの休息所にして第二の故郷です。
女主人にしてブルーダイアモンドの化身、ディアマン・ド・ネージュが迎えます。
ここは始まりの場所。
まだ時が満ちていない石、他者にかかわりたいという望みをもたない石、
そうした石たちには、他の石が見えず、他の石たちにも見えないことがあります。